胃腸炎の注意

ロタウイルス胃腸炎は、ほとんどが生後6か月から2歳ぐらいまでの乳幼児に発病します。

ロタウイルスに感染することが原因で、特に冬の時期の1月~3月にかけて増える病気です。

これはヒトからヒトへと感染する感染症です。

感染の原因として考えられるのは、飲食物を通してロタウイルスに感染した人が嘔吐や下痢をし、それに触れたり空気中に拡散したものを吸い込んだ人に二次感染を起こすということです。

そのために保育園行っている乳幼児の間で感染者が出ると、あっという間に広まることがあります。

それで乳幼児のおられる親御さんは、特に冬の時期にはロタウイルス胃腸炎に罹る可能性を意識しておいたほうがいいでしょう。

この病気は嘔吐下痢症とも呼ばれるように、下痢だけでなく嘔吐が見られるのが特徴です。

乳幼児が急な嘔吐と下痢を繰り返すような場合には、この病気を疑いましょう

ロタウイルス胃腸炎の症状の特徴

始まりは嘔吐からの場合が多いようです。

それまで元気だったのに突然に何度も吐き出す、というのが特徴です。

その後に下痢が起こりますが、中には嘔吐と下痢が同時に始まったり、下痢だけというケースもあります。

多いパターンとしては、嘔吐から始まり、それが2,3日で止まると、それと前後して
下痢が始まり、1週間ぐらいで治るというようなものです。

他にも発熱や咳などの症状が出る子もいます。

下痢は水のような便で、粘液が混じる場合もあります。

1/3ぐらいの割合で米のとぎ汁のような下痢便が出るのも特徴です。

そのような白色の便も、2~3日後には黄色っぽくなり、5~7日後には普通の便に戻るという経過をたどります。

うちの子も1歳頃にこの病気にかかりましたが、5,6回続けざまに吐いて唇が紫色になったので、焦って救急車を呼んだ経験があります。

夜中だったので、搬送された先の小児科の先生からきつい嫌味を言われました・・・

子どもがいきなり吐くような時はほとんどがウイルス性の胃腸炎なので、オロオロと心配する必要はないそうです。

ただし、1,2時間も腹痛を訴えて、その後に吐くというような場合は、虫垂炎など重大な病気の可能性があります。

ロタウイルス胃腸炎の治療

現在のところは、この下痢の原因となっているウイルスに効く薬というのはありません。

この病気では、脱水症状に注意しなければなりません。

おしっこの量が少なくなったり、ぐったりしたり、常にウトウトとしているなどの様子がみられるときは脱水症状が起きていると考えられますから、至急病院へ連れて行ってください。

病院での点滴による治療が必要となります。

そのような脱水症状を防ぐためには十分な水分補給が必要です。赤ちゃん用イオン水などを少しずつ与えるとよいでしょう。

逆に柑橘系のジュースや甘すぎる果汁、牛乳などは下痢をひどくしたり、吐き気につながることがありますから要注意です。

ロタウイルス腸炎は一般的に経過が比較的軽い病気です。

回復期の食事は、消化の良いものから少しずつ元に戻すことが大切です。

吐き気がおさまり始めるころから薄めたミルクや重湯を飲ませ、便の様子を見ながら食事の量を徐々に増やして元に戻していきます。

乳酸菌が感染性胃腸炎から子どもを守る

ここで子どもがかかりやすい感染性胃腸炎について、原因を判断しやすいように整理しておきましょう。

感染性腸炎は大きく分けると、ウイルス性と細菌性の2つがあります。

ウイルスと細菌の違い

細菌はそれ自体が独立した細胞を持つ生物です。

ところがウイルスは細胞を持たないので生物には分類されていません。しかし、ウイルスは遺伝子を持ち、他の生物の細胞に寄生して増殖することができます。ですから人体内の細胞や細菌に侵入して悪さをします。

感染性胃腸炎で考えるなら、ウイルス性のものは自然に治っていくことが多いのに対し、細菌性の場合は病原性大腸菌O-157による感染症のように重症化することがあるので要注意です。

例外はありますが、ウイルス性の胃腸炎は真冬に流行り、細菌性の胃腸炎は真夏に流行ります。それ以外のシーズンでは、ウイルス性・細菌性の両方が見られます。

ウイルス性・細菌性それぞれの感染性胃腸炎

ウイルス性の感染性胃腸炎には、ロタウイルス胃腸炎、ノロウイルス胃腸炎、アデノウイルス胃腸炎が主なものとして挙げられます。

細菌性の胃腸炎では、カンピロバクター腸炎、サルモネラ腸炎、病原性大腸菌やブドウ球菌による腸炎、エルシニア腸炎があります。

ウイルス性胃腸炎の見分け方

ここでは子どもに多いウイルス性胃腸炎の原因ウイルスの簡単な判別法を紹介しておきたいと思います。

ロタウイルス胃腸炎・・・冬の時期に多く、生後6か月から2歳ごろの子どもが突然に嘔吐することから始まるケースが多い。嘔吐の後に下痢や発熱が続く。

ノロウイルス胃腸炎・・・年齢問わず子どもも大人も感染する。冬の時期に多く、嘔吐・下痢・発熱が見られる。

アデノウイルス胃腸炎・・・季節に関係なく起きる。2歳以下の乳幼児に多く、嘔吐は見られず10日以上の長期にわたる下痢が特徴。

*ノロウイルスは11月~12月、ロタウイルスは2~3月にそれぞれ流行しやすく、1月は両方のウイルスが見られるという特徴があるようです。

乳酸菌が感染症の症状を軽減する

順天堂大学大学院医学研究科の研究報告では、乳酸菌飲料などにより腸内環境を改善するなら、ノロウイルスによる感染性胃腸炎の症状(発熱)を緩和する効果があるようです。出典:ノロウイルスを原因とする感染性胃腸炎の発熱症状に対する乳酸菌飲料の軽減効果を確認 | 共同通信PRワイヤー

これは乳酸菌によって感染者の免疫力が高まった結果、ウイルスを早期に抑え込むことができたためと考えられます。

またロタウイルスに感染させたマウスによる実験でも、乳酸菌を与えることで下痢による衰弱を防げたという報告もあります。

それで、感染性胃腸炎を予防し、また感染した際の症状を緩和するためにも、子どもの毎日の習慣として乳酸菌補給を取り入れましょう。