女性たちの横顔

同窓会に参加すると、出席者の年齢が上がるごとに若く見える人とそうでない人の年齢差が大きくなっているように感じませんか?

それもそのはずで、暦の上での実年齢と、見た目や身体機能の衰えなどから推定される生理的年齢は、歳を重ねるほどに個人差が大きくなることが研究によっても証明されています。

子供の頃というのは、どの子も年齢にふさわしい身体と体をもっており、大体の年齢を見た目であてることができます。

ところが、実年齢と生理的年齢の差は25歳を過ぎるころから大きくなっていき、45歳では10年の差、65歳では15年の差にもなるようです。

つまり、同じ45歳であるにも関わらず、見た目の若い人と老けた人では10歳も歳が離れているように見えてしまうのです。

考えてみれば恐ろしいことですね。

よく50歳を過ぎた人は本当の年齢が分からないといわれますが、これも同じ年齢でも見た目の差が大きくなるからだと言えます。

ですから、時間の進行によって一歳ずつ年齢を重ねていく「加齢」は、誰でも一様に同じ速度で経験しますが、見た目や身体機能が衰えていく「老化」は人によって進む速度に大きな違いが生じているという事実を改めて思い知らされます。

「老化」の針をもとに戻すことはできませんが、その進行を遅らせることはできます。

そして、「老化」を意識的に遅らせようとする人と、何ら努力せずに身をゆだねる人とではその差は決して小さくはありません。

「老化」の速度は、人によって10年、20年の差として表れていくことになります。

要介護、認知症、老眼、難聴、入れ歯、免疫力の低下など「老化」に伴う諸症状は、時として生活の喜びを奪うことがあります。

「老化」の進行速度を遅らせ、見た目と身体機能が衰えるスピードを緩やかにすることは、それだけ貴重な人生の中で楽しく過ごせる時間が増えるということです。

自分とまわりの人の人生を大切に思うからこそ、アンチエイジングに励みたいですね。

錆びていく身体

アンチエイジングを考える時に、老化の原因となっている事柄について知っておくことは大切です。

どんなにアンチエイジング効果のあるといわれる美容法・健康法を続けていても、その他の生活習慣で老化を進めるようなことをたくさん行っているなら、全く意味がないからです。

そして老化の原因といわれる2つの大きな要因が、「酸化」と「糖化」です。

「酸化」の一番分かりやすい例が金属に見られる錆(サビ)です。

空気中にふつうに存在する酸素は他の物質と結合することで、その物質の性質を変えてしまう性質があります。

その酸素の働きによって金属が腐食していくのが錆であり、人間の体の場合は酸化によって細胞がダメージを受けていきます。

このように細胞にダメージをあたえる酸素は「活性酸素」と呼ばれており、呼吸によって取り込んだ酸素の一部がこのような危険な活性酸素に変わってしまいます。

その他にも体外では紫外線や汚染された大気なども活性酸素の発生の原因となります。

ですから、私たちは毎日からだの中でも外でも活性酸素の攻撃を受けているというわけです。

体の細胞は酸化によって本来の機能を失ったり、酸化によって変換された分解しにくい物質が細胞内に蓄積され健康に悪影響を及ぼすようになります。

酸化が進むと、老化と関連深いシミやシワといった肌トラブルのほか、ガン・動脈硬化・糖尿病・老人性痴呆・白内障といった深刻な病気の引き金ともなるのです。

このようなダメージを避けるため、わたしたちの体内では酸化を防ぐためのシステムが備わっており、抗酸化物質というものをつくり出して酸素を無害化しようと働きます。

しかし、大量の活性酸素が発生した場合は防止システムでも防ぐことは難しくなり、また40歳を過ぎると抗酸化のシステム自体が衰えてくるため、酸化が一気に進んでしまうのです。

このようなわけで、アンチエイジングを考える時には体の酸化を防ぐことがひとつの大きな柱となります。

老化を進める糖化について

酸化が「錆(サビ)」だとすると、糖化は「焦げ(コゲ)」ということになります。

分かりやすいイメージとしては、肉やソーセージを焼いた時の褐色の色を思い浮かべてください。

または玉ねぎを炒めたときの茶色やパンやご飯が焦げたときの色でもいいでしょう。

このように物質が焦げるなどして茶色になる現象をメイラード現象と言い、メイラード現象は糖化によって生じます。

糖化とは、ブドウ糖や果糖などの糖分がアミノ酸やたんぱく質、脂質などと結合して別の物質に変化することです。

このような糖化は単に調理したものだけに起きているのではなく、何とわたしたちの体の中でも起きており、それが老化につながっているらしいのです。

様々な要因によって糖化した物質は、そのままさらに糖化が進むとAGEという塊になってしまいます。

このAGEは分解されにくい性質をもっており、わたしたちの体内でつくられると、それが蓄積されていって様々な老化現象の引き金を引いていると報告されています。

また糖尿病患者はAGEができやすく、このAGEこそが糖尿病のいろいろな合併症を引き起こしている原因であることも分かっています。

ですから、アンチエイジングにとって糖化を防ぐことは、抗酸化と同じぐらい重要なポイントなのです。

長寿遺伝子の正体

長寿遺伝子サーチュイン。NHKスペシャルでも取り上げられ、ご存知の方も多いのではないでしょうか?

今から13年前の西暦2000年に、あらゆる生物がもつ遺伝子である「サーチュイン」を活性化させることが、長寿につながるという研究報告がなされました。

この研究報告をきっかけとして、その後も次々と長寿遺伝子サーチュインに関する目ざましい研究成果が報告されて、老化の研究に関して大きな潮流となったのです。

老化の要因とされている酸化や糖化のしくみというのはとても複雑であり、日々の生活で酸化や糖化を防ぐことに徹してもやはり限界があります。

ですから、たった一つの遺伝子サーチュインを活性化させるだけで老化を防ぎ、寿命を延ばすことができるという研究報告は世界中に衝撃を与えました。

サーチュインは、生命が長寿を達成するためにオーケストラの指揮者のような役割をするそうです。

サーチュインを活性化させることで、特定の要因だけを解決するというよりも、いろいろな臓器に対していろいろな働きを行ない、それが多様な連鎖反応を生んで最終的に長寿という結果につながるのです。

例えば、肝臓やすい臓では糖尿病を抑える働きをし、大腸ではガンを抑える働きをしています。さらには、脳では神経障害を防いでいます。

しかし問題は、なぜかほとんどの人のサーチュインは通常は活性化していないということです。

通常OFFになっている長寿のスイッチをONにする必要があるのです。