離乳食をたべる赤ちゃん

離乳食期は腸内細菌にとって、とてもとても大事な時期です。

この時に子どもの一生の健康がかかっている、と言っても言いすぎではないと思います。

なぜ離乳食期がそれほど大切なのでしょうか?

それは離乳食を始めることで、必ず腸内フローラが大きく変化するからです。

離乳前は腸内でビフィズス菌の占める割合が圧倒的に高いのです。

その割合は母乳育児の赤ちゃんで99%、粉ミルクだと60~80%と言われています。

ところが離乳食の初期に入ると、ビフィズス菌がガクンと減少していき、代わりにバクテロイデス、ユウバクテリウム、ウェルシュ菌などの細菌が急激に増えていきます。

そして、そのバランスは離乳期以降は老年期前までほとんど大きな変化はありません。

つまり、離乳食開始によってほぼ大人と同じような腸内フローラに近づいていくのです。

それ自体は成長に伴って必ず起きる現象ですから心配する必要はありません。

ただ問題となるのは、腸内フローラが大人型になった時に、赤ちゃんの腸がそれに対応できているかどうかという点です。

一般的には離乳食スタートのタイミングとして、生後5,6ヶ月ごろが目安とされていますね。

しかし、その頃の乳児は、大人型の腸内フローラに対応できるような腸をもっていないのです。

赤ちゃんの腸は漏れやすい

テーブルに座る赤ちゃん

リーキーガット症候群については、かなり知られるようになってきましたが、乳児はどの子も腸がリーキーガット(漏れやすい腸)になっています。

これは母乳や粉ミルクの栄養を吸収する上では適していますが、食物を漏れやすい腸のままで摂るとなると話は別です。

食物を食べ出すと必ずビフィズス菌以外の細菌が増えていきます。

そうした腸内の悪玉菌や日和見菌、また消化できない食物が腸壁を通過して体中に感染症や炎症を起こすのです。

このようなダメージが、アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・中耳炎・花粉症・喘息・チック・てんかん・多動・注意欠陥・神経過敏・うつ・不眠など、子どもの病気や精神疾患の発症に大きく関係すると言われています。

ですから、少なくとも生後18ヶ月頃までは赤ちゃんの腸は食べ物を入れるのに適していないと主張する小児科医もいますし、2歳半ごろまで母乳か粉ミルクで育てるべきという専門家の意見もあります。

参考図書:「子どもの病気は食事で治す」(内山葉子著/評言社)、「病気知らずの子育て」(西原克成著/冨山房インターナショナル)

いずれにしても、離乳食の開始時期と進め方については、赤ちゃんの腸への影響を考えて慎重に選択する必要がありそうです。

ビフィズス菌や乳酸菌など善玉菌の多い体内環境では悪玉菌も必要以上に増殖することはできません。

それで離乳食期は善玉菌を大切に守り育てることで、悪玉菌による腸や全身へのダメージをなるべく防いであげましょう。

善玉菌を育てる離乳食の進め方7つのポイント

善玉菌を守り育てるための離乳食の進め方のポイントを以下にまとめてみます。

1.早すぎる離乳食はNG

離乳食を焦って始めることには、子どもの健康面では何のメリットもありません。むしろデメリットが多すぎます。

その一つの理由は、前に述べた赤ちゃんの未熟な腸(リーキーガット)にあります。

そして、もう一つのマイナス要因が赤ちゃんの未熟な消化能力です。

まだ歯が生えていない乳児に離乳食を与えると丸飲みする癖がつきますが、これは腸内に未消化の食物を増やします。

また食物を消化する酵素も生後5,6ヶ月では炭水化物やタンパク質を消化できるレベルではありません。

そのためにやはり未消化の食物が増えます。

このような未消化の食物によって腸内は悪玉菌が増殖しやすくなりますし、未消化の食物が腸から血中に漏れることでアレルギー反応を引き起こします。

それで「子どもの病気は食事で治す」(内山葉子著/評言社)の中では、離乳食開始のタイミングとして、満1歳から2歳ごろが勧められています。

既に離乳食を始めていたり、仕事復帰の関係で離乳食の開始を延ばすことはできないという場合も多いと思います。

今の時点で赤ちゃんにアトピーなどの体調不良がないのであれば、必ずしも1歳~2歳の開始に固執する必要はないかと思います。

それでも、できるだけ以下のことを実践して子どもの腸を守ってあげましょう。

2.母乳はなるべく長く与える

母乳にはビフィズス菌を増やす成分であるヒトミルクオリゴ糖が含まれています。このヒトミルクオリゴ糖は、約130種類のオリゴ糖の混合物からなっています。

実はビフィズス菌といっても一種類のみではなく、人の腸内からは約10種類のビフィズス菌が発見されています。

そして、ビフィズス菌それぞれにオリゴ糖の好みがあります。

そのため母乳に含まれる約130種類のオリゴ糖成分には、様々なビフィズス菌を活性化する力があるわけです。

粉ミルクの場合は、オリゴ糖が配合されていても2,3種類ですから、この点では母乳に比較するとビフィズス菌を活性化する力は弱いということになります。

いずれにしても、乳児の未熟な腸内に悪玉菌を増殖させないためには、離乳食の開始を急がないことと共に、腸が十分発達するまでは母乳やミルク中心で育てることが大切です。

3.タンパク質はいろいろなものを少しずつ

離乳食プレート

子どもの腸内フローラは3歳頃になってからしっかり整うと言われています。

それまでの間はアレルゲンとなる卵・小麦・そば・大豆・魚介類などを偏って大量に摂らせると、アレルギーになりやすくなります。

これはタンパク質そのものが未消化になりやすい性質を持つためです。

また未消化の食物は腐敗して腸を荒らし、悪玉菌のエサとなりますから、その点でも好ましくありません。

タンパク質を多く含む食品は、毎日食品の種類を変えるなどして偏りをなくし、少量ずつ与えましょう。

また3歳までは、アレルギー発症と食中毒の危険性から生卵かけのご飯は絶対に与えてはいけないようです。

4.小麦と牛乳に注意

離乳食で定番のメニューにパンがゆがありますが、日本人の場合は欧米人に比べて小麦のタンパク質グルテンや牛乳のタンパク質カゼインを分解する力が弱いといわれています。

これらの消化不良は悪玉菌を増やすだけでなく、麻薬のような作用を生じさせ、脳の発達に影響するようです。

そして多動や自閉症の原因の一つになるとも言われています。

特に牛乳については、乳糖を分解するラクターゼが2歳からグンと減るために消化不良になりやすいと言われます。

与えるにしても過剰摂取にならないような注意が必要です。

5.電子レンジはなるべく使わない

電子レンジで下ごしらえをすると、タンパク質が変性し未消化になりやすくなります。

6.緑便と便秘に注意する

離乳食を始めた途端に便秘になる赤ちゃんも多いようです。

便秘や緑便は悪玉菌優勢の腸内環境を示すサインです。

離乳食が早いために消化が十分でなく腸内に悪玉菌が増えたのかもしれません。

手足を温めてあげること、食べ物を見直すこと(小麦や消化不良になる食品を摂り過ぎていないか)、生活リズムを整えること、オリゴ糖を摂取させるなどの方法で、早めにいいウンチに戻るようサポートしてあげましょう。

7.離乳食にオリゴ糖を混ぜる

離乳食期を通じて、毎日の離乳食に1g~3g程度の市販のオリゴ糖を混ぜるのは、善玉菌を育てるのに役立ちます。

オリゴ糖は母乳や粉ミルクにも含まれており、ビフィズス菌を活発にする作用があります。

しかし、離乳食の開始によって悪玉菌など他の細菌は必ず増えていきますから、ビフィズス菌は今まで以上にパワーを必要としています。

それに離乳食の量が増えてくるに従い、母乳やミルクの回数も減っていきますから、そのままだとオリゴ糖の摂取量も減少する一方です。

ですから、市販のオリゴ糖を補ってあげることで、子どもの善玉菌を守り育ててあげましょう。

赤ちゃんに与えるオリゴ糖は、砂糖などの混じっていない純度の高いものを選んでください。

また、様々な種類のビフィズス菌を活性化させるためには、ブレンドされているオリゴ糖が最適です。